






2011年末から2012年春まで横浜美術館で開催された
『松井冬子展 ー世界中の子と友達になれるー』は、
3.11大震災に打ちひしがれていた人々を美術の力で癒し勇気づける奇跡的な展覧会となりました。
以降、松井氏は新宿瑠璃光院から依頼を受けた同院白蓮華堂に収める48領(枚)の襖絵<生々流転>の制作に没頭しています。それは万物が生まれ変わる様を雄大にして静謐な日本の四季の風景に仮託した氏の新境地となる大作群です(2021年完成予定)。
九相図シリーズも完結を目指し今も制作が続いています。
本書は過去の作品から最新作まで、作家自身によって編集・制作された自選画集です。
『松井冬子展 ー世界中の子と友達になれるー』以来の久々の画集となります。
松井冬子自選作品集『髪の房』【サイン本】
仕様:56頁 / 上製本 / 232 x 303 mm
収録作品図版:29点
テキスト:松井冬子、八柳サエ(横浜美術館学芸員)、
メラニー・イーストバーン
(ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館学芸員)
【収録作品】
浄相の持続
終極にある異体の散在
成灰の裂目
應声は体を去らない
転換を繋ぎ合わせる
喪の寄り道
四肢の統一
髪の房
夜盲症
引き起こされた不足あるいは過剰
桜下狂女図
切断された長期の実験
優しくされているという証拠をなるべく長時間にわたって要求する
なめらかな感情を日常的に投与する
無傷の肖像
完全な幸福をもたらす普遍的万能薬
腑分図:桃
適応の稽古
自然は子の形を保つ
盲犬図
静脈のための器
無傷の標本
この疾患を治癒させるために破壊する
ただちに穏やかになって眠りにおち
陰刻された四肢の祭壇
世界中の子と友達になれる
富士
生々流転
侵入された思考の再生